シンワ様は、最終検査における画像確認の負荷軽減と、検査基準のばらつき解消を目的に、SCIENとともにAI画像検査システムの実証に取り組みました。SCIENは、以下の5つを実装しました。
- 紙帳票のデジタル化。 過去の検査記録をスキャンし、AI学習に使えるデータへ整備。
- 現場に馴染むWebアプリ化。 既存の紙運用を踏襲しつつ、AI判定、作業結果、コメント記録をタブレットで扱える画面を構築。
- 熟練者の判断基準を学習。 品質管理の中核を担う担当者が大量の画像を確認し、信頼できる検査基準をAIに反映。
- 閉域環境での安全な運用設計。 機密性の高い欠点画像をインターネットに公開せず、セキュアなネットワーク内で推論・表示できる構成を実現。
- 継続改善の仕組みを内蔵。 AI判定と現場判断の差分を記録し、精度向上と運用改善の両方につなげる仕組みを設計。
確認工数を減らしながら、統一された基準で検査できる仕組みが必要だった
シンワ様は、どんな課題を抱えていましたか?
最終検査では、装置が検出した欠点画像を作業者が1枚ずつ確認していました。負荷が大きいうえ、経験の差によって判断がぶれることもありました。確認工数を減らしながら、より統一された基準で検査できる仕組みが必要でした。
現場での工程確認と対話により、プロジェクトが前進
プロジェクトで特に難しかった点はありますか?
立ち上がり当初は、現場の業務知識とAI側の考え方をすり合わせるのが簡単ではありませんでした。リモートでは伝わりにくいことも多かったのですが、SCIENさんが現場に訪れ、工程を見ていただきながら議論してから、双方の理解が一気に深まり、前に進みました。
AI・DXの最初の一歩になり、社内の意識が変わった
プロジェクトが進む中で、社内にはどんな変化がありましたか?
一番大きかったのは、意識の変化です。これまで社内にはAIの知見がほとんどありませんでしたが、取り組みを通じて「AIで他の課題も解決できるのではないか」という発想が出てくるようになりました。DXに向けた最初のきっかけになったと感じています。
プロジェクトが形になっていく中で、他の課題にもAIが使えるのでは、という発想が広がった
今後、どのような展開を期待していますか?
現在は1ラインでの検証フェーズに入っています。紙帳票ベースの運用とタブレット運用を比較しながら、AIと人の判断差分を見て改善を重ね、実用性が確認できれば横展開していきたいと考えています。
*上記の効果金額はインタビュー内で共有された現時点の試算値であり、単一ラインにおける検証段階を前提としています。最終的な効果は本格運用後に確認予定です。