プロジェクト概要
既存の追跡パイプラインでは、環境変化や人物の交差、遮蔽が起きた際にIDが不安定になるなど、実運用に耐える精度が課題でした。SCIENは、検出モデルと追跡アルゴリズムを切り分けて評価し、展示会向けのデモだけでなく、将来的な現場運用も見据えた構成を提案しました。
検出と追跡を分けた技術選定
人物追跡は、検出精度と追跡ロジックの両方が成果に影響します。そこで、SCIENは物体検出と追跡を個別に評価し、既存構成の延長で改善できる案と、0ベースで最新手法を取り入れる案の双方を整理しました。
関与範囲と技術支援
単なる助言にとどまらず、採用候補となるモデル群の比較、実装上の制約確認、将来のホットスワップを見据えた設計方針まで支援しました。精度向上だけでなく、運用環境に載せやすい構成かどうかも重視しています。
- 既存追跡パイプラインの課題整理
- 最新検出モデルの比較評価
- 追跡アルゴリズム候補の選定
- 実装・運用を見据えた構成方針の提案
実運用を見据えたモデル構成と鳥瞰図変換利用
検出にはTransformer系の最新モデル、追跡には実装容易性と安定性を両立しやすい手法を候補化し、用途に応じて切り替えられる設計としました。これにより、研究寄りの高精度構成と、プロダクト寄りの安定構成を両立できる余地を確保しています。また、マルチカメラ鳥瞰図変換技術により空間全体の座標系を統一し、後段の検証基盤として利用可能にすることでフロントビューだけでは取得できないメタデータを取り扱うことが可能になります。
ホットスワップ可能な追跡基盤の設計
特定のOSSや単一モデルに依存せず、検出器と追跡器を交換しやすい構成を前提に検討を進めました。Transformer系検出モデル、Re-ID、ONNX対応などを比較しながら、展示用途にも現場用途にも転用しやすい技術基盤を構想しています。
本プロジェクトにおける価値
SCIENは、最新論文ベースの知見をそのまま持ち込むのではなく、実装可能性と運用性を加味して技術選定を行いました。結果として、精度改善の見通しだけでなく、継続的に改善できる人物追跡基盤の方向性を示すことができました。