プロジェクト概要
新規モデルの立ち上げでは、既存治具をどこまで流用できるかの判断が重要ですが、従来の管理方法では、形状やパラメータの差異を踏まえた検索が難しい状況でした。SCIENは、見た目の類似性と数値パラメータの近さを組み合わせ、検索と生成の両面から治具設計を支援する構成を提案しました。
検索と生成を一体で考えた設計
まずは3Dモデルから複数視点の画像特徴を取得し、視覚的に類似するワークを検索する仕組みを設計しました。その後、外径や内径などのパラメータ比較を重ねることで、単なる見た目の近さではなく、実務上意味のある候補提示を目指しています。
関与範囲と必要データの整理
PoCでは、アルゴリズム設計だけでなく、図面に付与すべきパラメータ定義やアノテーション方針も整理しました。現場で蓄積されてきた図面資産を、AIが扱える構造化データへ変換する前段から支援しています。
- ワーク図面/治具図面の対応関係の整理
- 3Dモデルを用いた類似検索フローの設計
- 図面パラメータの定義・アノテーション方針整理
- 治具パラメータ生成ロジックの検討
既存図面を生かす生成アプローチ
完全な新規生成ではなく、類似図面を基点に必要なパラメータだけを差し替える発想を採用しました。これにより、現場が受け入れやすい形で自動化を進められるだけでなく、既存図面資産の価値も最大化できます。
パラメータ差分を活用した治具生成
検索で見つけた類似図面をそのまま使うのではなく、ワークと治具のパラメータ対応関係を学習し、必要な数値だけを差し替えて新しい治具案を生成する発想を採用しました。既存図面資産の再利用と、少量データでも精度を出しやすい差分学習の両立を狙っています。
本プロジェクトにおける価値
検索性の改善にとどまらず、図面・3Dデータ・数値パラメータを横断して設計知を再利用可能な形にした点が大きな価値です。属人的だった治具流用判断を支援し、設計スピードと再現性の向上に寄与する構想を描きました。