プロジェクト概要
金属部品の外観検査では、傷や欠け、バリ、切粉付着といった外観不良に加え、寸法評価まで含めた全品検査が求められていました。SCIENは、6枚の高解像度画像を用いて部品を全方向から評価し、傷検知と寸法検査を一体で支援するアシストシステムのPoCおよび本開発構想を設計。検査精度と現場運用性の両立を見据えた、次世代の品質管理基盤の実装を目指しました。
全方向撮影を前提にした検査装置設計
遮光性の高い筐体の中に上部・側面・下部を含む複数カメラを配置し、部品の外周や裏面まで撮影できる構成を検討しました。台座の高さや固定方法を調整できる設計とすることで、複数形状の部品に対応しやすくし、将来的なコンベア連携まで見据えています。
見逃し最小化を優先した学習・運用設計
初期フェーズではOK/NGの2分類でモデルを立ち上げつつ、アノテーションは将来の高度化を見据えて6分類で蓄積する方針を採用しました。Recall重視で見逃しを最小化し、AIが厳しめにNGを出したものを人が最終確認する運用を前提に設計しています。
- 6枚画像を前提にした閲覧/管理UIの設計
- OK/NGモデルと6分類アノテーション方針の整理
- 傷検知と寸法検査を一体で扱う要件定義
- PoCから本開発へ移行する評価基準の策定
傷検知と寸法検査を一体化した全品検査構想
外観傷だけでなく、寸法評価も同時に行えるソフトウェア構成とすることで、検査工程を分断せずに扱えるようにしました。高負荷な推論は現場PCで行い、画像データはクラウドへ安全に保管するなど、運用コストと可用性を両立する実装形態もあわせて整理しています。
段階導入を前提にしたPoC設計
まずは1台でPoCを行い、検出精度や使い勝手が基準を満たした段階で本開発や複数台展開へ進める設計としました。撮影条件やサンプル収集、UI改善を段階的に詰めることで、現場に無理なく定着する全数検査基盤を目指しています。
本プロジェクトにおける価値
本プロジェクトの価値は、傷検知だけに閉じず、撮影ハードウェア、アノテーション運用、寸法評価、将来のインライン化まで含めた全方向の検査基盤として構想した点にあります。属人的だった判定基準を標準化し、全品検査へ近づくための現実的な導入ステップを示しました。